カテーテル治療

循環器内科・循環器内科部長 尾畑 嘉一

不整脈に対する根治治療〜カテーテルアブレーション〜

不整脈が起こると、動悸だけではなく、血圧の低下によってめまい症状が生じることもあります。また持続することで心臓への負担が増え、心不全へとつながります。

不整脈に対して、薬物療法でのコントロールを行うことが初期の治療として行われますが、内服の継続が必要となります。もう一つの方法として、カテーテルを用いた不整脈の根治治療である、カテーテルアブレーション(経皮的心筋焼灼術)があります。カテーテルを用いて不整脈の原因となる部位を探し、焼灼することで根治を目指す治療です。昨今、心房細動をアブレーションできちんと制御することが心不全への進展を抑制し、予後を改善するという報告も出てきており、どんどん広がっています。

当院では心房細動や心房粗動、発作性上室性頻拍、心房頻拍、期外収縮、心室頻拍に対して治療を行っています。全身麻酔にて手術を行いますが、入院機関としては5日から7日程度で可能となっています。

中には、動悸があるのだけれど、心電図では見つからずに諦めている患者様もいらっしゃるかと思います。そのような場合でも、1週間装着する心電図や、電気生理学的検査を用いて積極的に原因を検索する手段を用意しています。症状でお困りの不整脈を、可能なかぎり根治に導くために、検査治療をご提案します。

胸痛に対する冠動脈の詳細な検査〜冠微小循環障害〜

胸痛と一言にしても、心臓の血管である冠動脈の障害で起こる症状は人によって様々です。典型的には「前胸部が掴まれる」と表現されますが、「左肩が痛い」、「背中が痛い」、「顎が痛い」、「歯が痛い」、「胃が痛い」、「吐き気がする」など様々です。これらの症状で最も恐ろしいものであり、緊急度の高いものが急性心筋梗塞や不安定狭心症で、それに対してはカテーテル治療が第一選択とされています。

狭心症は、心筋の虚血を原因とする胸痛症候群とされます。生活の質を低下させるだけではなく、突然死を含めたイベントにつながるものです。従来は狭心症の原因として、太い冠動脈の動脈硬化によって起こる、冠動脈狭窄が重要視され、それに対してカテーテルを用いた治療が開発されました。現在は幅広く行われていますが、様々な課題がありました。狭窄病変がカテーテルでも認められない、またはカテーテル治療をしても症状が残存する、などが挙げられます。

そこで、心筋虚血の原因となる冠動脈機能が重要となります。当院では、通常の冠動脈造影では観察できないような小さい血管の機能異常を測定する機器であるCoroFlowTMを道内でも早期から導入しています。その結果から、適切な治療方法が判明し、症状が改善した患者様もいらっしゃいます。 胸痛を含めた胸部症状の詳細な検索をご希望の場合はお声掛けください。

Link/日本冠微少循環障害研究会

歩けなくなる末梢動脈疾患に対する末梢血管治療

末梢動脈疾患は、足の動脈に狭窄や閉塞が起こることで、足に様々な症状を起こす疾患です。動脈硬化が原因であり、糖尿病や高血圧症の方、喫煙者は特に注意が必要です。当初は足のだるさやしびれですが、痛みが出て、傷が治らなくなるなど、進行があると命に関わる状態になることがあります。

そのような状態の血管に対して、カテーテルでバルーンやステントを用いて血流を改善させる治療です。足の付け根の動脈(大腿動脈)からの穿刺だけではなく、病変の場所次第で、手首の血管(橈骨動脈)や肘の血管(上腕動脈)からのアプローチも可能となっています。

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